発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140245
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62歳男.胸痛,呼吸困難を主訴とした.急性心筋梗塞を発症し,左前下行枝#6完全閉塞と右冠状動脈#2の75%狭窄を認め,#6にステント留置が行われたが,胸痛が再発した.入院後,呼吸困難を訴え,胸部X線上肺うっ血を呈し,冠状動脈造影にて左前下行枝#6完全閉塞と右冠状動脈#2の75%狭窄を認め,検査後に頻脈性不整脈が頻発した.心拍動下冠状動脈バイパス術(左内胸動脈-左前下行枝吻合,大伏在静脈-右後下行枝吻合)を予定したが,術中に頻脈性不整脈を発症したため,超短時間作用型β遮断薬landiolol hydrochlorideを投与したところ心機能や血圧低下を招くことなく頻脈性不整脈の抑制が可能となり,予定処置が遂行された.術後,心室性期外収縮および心室頻拍から心室細動を認めたがcarvedilol,amiodarone hydrochlorideにてコントロール可能となった.術後1ヵ月の冠状動脈造影にて左内胸動脈は閉塞していたが,左室駆出率は術前の28%から45%へと改善していた
©Nankodo Co., Ltd., 2004