発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140243
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31歳男.4年前に約1ヵ月間38℃台の発熱と咳嗽が続いた後に心雑音の増強を認めたが自覚症状はなく,心エコーにて高度の僧帽弁閉鎖不全症(MR)と診断された.入院時発熱や血液検査にて炎症所見はなく,血液培養陰性であった.胸部X線像では心胸郭比52%で左第2,3弓の拡大と肺うっ血像を,心電図では左心負荷像を認めた.また,術前の心エコーでは僧帽弁前尖のpunched out lesionを認めたが石灰化や腱索の断裂,疣贅などを伴わず,感染性心内膜炎により形成された僧帽弁前尖のpunched out lesionのみを呈するMRと診断した.胸骨正中切開,心停止下に右側左房切開にて左房に到達した後,僧帽弁前尖A2領域に認めた直径約16mmのpunched out lesionを自己心膜パッチにて閉鎖し,32mmリングにて弁輪形成術を施行した.術後は心エコーにてpunched out lesionの閉鎖とMRの消失を確認し,軽快退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2004