発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006034947
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
40歳女性.患者は発熱,右下腿腫脹で近医を受診,下腿血栓性静脈炎と診断され,加療を受けるも軽快せず,著者らの施設へ受診となった.検査では貧血とCRP上昇を認め,X線では心胸郭比56%,左第4弓の突出を認めた.心エコーではMR IV度,可動性の疣贅を認め,IEおよびMRと診断し入院となった.血液培養でStreptococcus anginosusが検出され,vancomycin hydrochlorideを投与後,解熱し,炎症反応は鎮静化したが,入院20日目に出血性脳梗塞を発症し,加療後の入院63日に手術を施行することとなった.僧帽弁の前尖に穿孔のある弁膜瘤を認め,前尖中央部の腱索は完全に断裂し,後尖中央部も腱索断裂で著しく逸脱しており,僧帽弁形成術を行った.術後の心エコーではMRは軽度~I度に改善し,術後11日目に軽快退院し,現在,外来加療中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005