Japanese
English
特別寄稿
アメリカのナースプラクティショナーの現状と活動の実際
The current status of nurse practitioners (NP) in the USA and actuals of their activities.
宮﨑 文子
1
Fumiko MIYAZAKI
1
1東京医療保健大学東が丘看護学部大学院
pp.1-6
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7011200012
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
近年、日本においては医師不足、医師の診療科(特に産婦人科、小児科)あるいは地域の偏在が社会問題化し、これらの問題を解消するために様々な方策が打ち出されている。その一つとして高度かつ専門的な実践能力をもった看護職を養成し、養成された高度実践看護師の裁量権を拡大することにより、医師との協働のもとでチーム医療を展開できる方策が厚生労働省で検討され、「チーム医療の推進に関する検討会報告書」が提出された(2010年3月)1)。この報告によると看護師の役割拡大として、医師の包括指示の下で特定の医行為を実施できる看護師を特定看護師(仮称)としている。看護師の役割拡大に関する今後の課題としては、国民の理解、看護界の合意、他職種の理解、行政の理解が求められている。アメリカではすでに40年以上前から、この特定の医行為ができる卓越した看護師として、大学院修士課程でナースプラクティショナー(以下「NP」と称す。)の養成が開始され、現在では約16万人のNP(国家資格)が医師との緊密な連携を図りつつアメリカの医療・保健を支えている。未だNPの制度が存在しない日本においてその制度の確立を目指すために、大分県立看護科学大学大学院(2007年4月)をはじめ、国際医療福祉大学大学院、東京医療保健大学大学院、北海道医療大学大学院等で特定看護師(仮称)の養成が開始されている。筆者も特定看護師の養成に係る機会を得たため、平成22年4月10日から18日までアメリカ(ワシントンDC)におけるNP活動の視察・研修に参加した。本稿では研修で確認できたNPの現状とその活動の実際について私見を交えながら述べてみたい。
Copyright © 2010, The Japan Maternal and Infant Caring Association All rights reserved.