特集 看護業務拡大による可能性を探る―現場のニーズと教育システムの構築
ナースプラクティショナーはミニドクターなのか?
緒方 さやか
1
1エール大学看護大学院
pp.16-19
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101390
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NPはミニドクター?
ナースプラクティショナー(以下,NP)は看護哲学に根ざした,生活習慣の改善や予防に重きを置いた臨床を提供する職種である。多くは外来で活躍し,オペ室に入ることはないものの,ICUなど病院内で活躍するNPもいる。患者と病気を切り離すことなく,ホリスティックな心身一体のアプローチを行なうのがドクターとは異なるNPの特徴であるが,そんなNPの役目が定義されるまでには時間がかかった。
1965(昭和40)年頃アメリカで生まれたNPだが,当初は「ミニドクターのようだ」と,ドクター,看護師双方から批判された。似たような論争は日本でも起こるかもしれない。それでは,現在のアメリカで働くNPは「ミニドクター」なのだろうか? ドクターの仕事の手伝いが役目なのか,それとも全くドクターからは独立して働いているのだろうか? ドクターは同僚なのか,上司なのか,ライバルなのか?
そんなNPの実際の役割について,40年を経てその存在が医療システム内で確立されたアメリカから,外来を中心にした仕事現場での具体例を交えてお話したい。日本でのNPを考察する際に参考になればと思う。
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