Japanese
English
【報告】
被災した人々への災害後早期からの『心のケア』—避難所における看護職者の実践体験をもとに
"Mental Health Care" for Victims from an Early Stage after the Disaster : Based on Nurse's Practice Experiences at the Refuge
川田 美和
1
,
近澤 範子
2
,
玉木 敦子
3
,
立垣 祐子
2
,
原田 奈津子
4
Miwa Kawada
1
,
Noriko Chikazawa
2
,
Atsuko Tamaki
3
,
Yuko Tategaki
2
,
Natsuko Harada
4
1医療法人光愛会光愛病院
2兵庫県立大学
3近大姫路大学
4桜ヶ丘記念病院
キーワード:
災害看護
,
心のケア
,
PTSD
,
disaster nursing
,
mental health care
,
PTSD
Keyword:
災害看護
,
心のケア
,
PTSD
,
disaster nursing
,
mental health care
,
PTSD
pp.31-42
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200154
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要約
被災した人々への『心のケア』は、一般的に災害後中・長期的な課題として注目されることが多い。しかし災害後早期に適切な『心のケア』を行うことは、中期以降に顕在化する精神的な問題の軽減に有効であるとされている。そこで今回は、震災後の避難所で被災した人々に対して『心のケア』を行った看護職者10名に聞き取り調査を行い、実際に提供したケアを明らかにするとともに、結果を踏まえて早期からの重要な『心のケア』について考察した。災害後早期からの有効な『心のケア』として【安心して思いを表出できるように関わる】、【日常生活や身体的な援助から始める】、【被災した人の最も気がかりなことに対応し安心してもらう】が挙げられた。また、ケアを効果的に行うために【平常時から災害に備えておく】ことが必要であることや、精神障害者やひきこもりのケースに対して【コミュニティの力を活用する】働きかけの意義が示唆された。さらに、すでに重要性が指摘されている心理教育の実践、ならびに家族と死別した被災者への関わりは、今後のさらなる調査研究、技術開発、ならびに教育訓練が必要であることが明らかとなった。
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