Japanese
English
研究と報告
阪神大震災被災者におけるPTSDについて
Posttraumatic Stress Disorder in Victims of the Great Hanshin Earthquake
湖海 正尋
1
,
高内 茂
1
,
大原 一幸
1
,
守田 嘉男
1
Masahiro KOKAI
1
,
Shigeru TAKAUCHI
1
,
Kazuyuki OHARA
1
,
Yoshio MORITA
1
1兵庫医科大学精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Hyogo College of Medicine
キーワード:
PTSD
,
Prevalence rate
,
Comorbidity
,
Depression
,
Disease entity
Keyword:
PTSD
,
Prevalence rate
,
Comorbidity
,
Depression
,
Disease entity
pp.1061-1068
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904628
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【抄録】阪神大震災3か月後より半年間にわたり激震地帯東部にある大学病院精神科受診者においてPTSDの発生を調査した。精神病圏や痴呆などを除く疎通性良好な対象患者186名中,DSM-IV診断基準に適合したPTSDは6例であり頻度は3.2%であった。諸外国の震災報告例と比較して低頻度だが,調査対象群の設定や復旧システムによる差異が考慮され,災害精神医学の疫学的研究上の問題が示唆された。また,PTSDの4症例に関してはうつ病とのcomorbidityを認めたが,これらにおいてはPTSDがうつ病経過上の部分症状を構成しているものとも解釈された。PTSD症例は診断基準に適合してもその疾患単位性は必ずしも保証されない可能性と,我が国におけるPTSD概念の詳細な検討の必要性を指摘した。
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