日本看護診断学会・第29回学術大会報告 【教育講演・2】
ヘルスマネジメントについて看護学的視点で思索する—‘生活者’と‘病みの軌跡’を基軸として—
黒江 ゆり子
1
Yuriko Kuroe
1
1関西看護医療大学
1KANSAI University of Nursing and Health Sciences
キーワード:
慢性
,
健康管理
,
ヘルスマネジメント
,
生活者
,
病みの軌跡
Keyword:
慢性
,
健康管理
,
ヘルスマネジメント
,
生活者
,
病みの軌跡
pp.25-31
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200075
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毎日の食事に気をつけ,早朝の散歩を欠かすことのなかった人が,数年後に仕事がうまくいかなくなり,食事療法や運動を続ける気力を失った.血糖コントロールは困難を極め,病院にも足が向かない.数年後に視力の低下に気づき,やっと受診してみようかと….
病気の慢性状況で生涯にわたる健康管理/ヘルスマネジメントが必要になったとき,人は即座にその必要性を受けとめ,かつ1日24時間1年365日継続することを求められるが,それは容易なことではない.長軸的な健康管理を求められるとき,私たちは,誰もが戸惑い,その継続の難しさに途方に暮れる.
生活は複雑でそこに生きる生活者は,‘自分の中にある過去や経験をつきつめ,自分にとってそれがもつ意味を問うことにより思想を形成していく’と著わされる(天野,1996).人はそれぞれが個々の過去と経験をもっており,それらは今の考え方や生き方につながり,そこから差異性と独自性が生まれる.それゆえ,支援を考えるときに重要なのは,個々の過去と経験をどのように包摂しているかなのである.
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