日本看護診断学会・第25回学術大会報告 【特別講演】
看護の成り立ちを言葉にする—現象学からのアプローチ—
榊原 哲也
1
Tetsuya Sakakibara
1
1東京大学大学院人文社会系研究科
1Graduate School of Humanities and Sociology, The University of Tokyo
キーワード:
看護の成り立ち
,
現象学
,
ベナー
,
現象学的人間観
,
言語の現象学
Keyword:
看護の成り立ち
,
現象学
,
ベナー
,
現象学的人間観
,
言語の現象学
pp.41-49
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200051
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「看護診断」が看護の営みにおける1つの重要なプロセスであることは,あらためて言うまでもない.しかし看護の営みが,看護診断とそれに基づく計画立案,介入等に尽くされるわけではないこともまた,明らかである.本稿では,看護診断の前提となる患者へのアセスメントが,患者と看護師たちとによる,ふだんは言語化されないような相互的な働きかけと応答によって成り立つ看護実践の中で行われることを踏まえ,そうした看護の成り立ちを言葉にすることが,いかなることであり,またそのためにはいかなる視点が必要であるのかを,現象学という哲学をベースにしたベナー/ルーベルの現象学的人間観と,それに基づく現象学的看護理論を参照しつつ,明らかにした.また個別の看護事例を言葉にすることがいかなることであるのかを,フッサールとメルロ=ポンティの言語をめぐる現象学的考察を手がかりに,明らかにした.
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