特集 北欧ケアとは何か 看護研究への示唆
北欧ケア研究のために―もう1つの現象学的アプローチ
浜渦 辰二
1
1大阪大学大学院文学研究科
キーワード:
北欧ケア
,
現象学
,
ケア学
,
生活世界
,
生活者中心
Keyword:
北欧ケア
,
現象学
,
ケア学
,
生活世界
,
生活者中心
pp.428-438
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100683
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はじめに
看護研究のなかには,一方で「現象学的研究」への関心(看護研究,2011a)があるとともに,「ケアリング」への関心(看護研究,2011b)もあるようである。筆者は,両方の関心を共有しつつ,「ケアの現象学」という共同研究にもかかわってきて,さらに両者の接点になるものとして「北欧ケア」に関心をもつようになった。そこから「北欧ケアの実地調査に基づく理論的基礎と哲学的背景の研究」と題して,私たちはさまざまな分野(哲学・倫理学,死生学,看護学,リハビリ学,社会福祉学,文化人類学)の研究者による学際的な研究を2年前から行なっている。
実地調査から哲学的背景までをつなぐのは一筋縄ではいかず,まだ研究成果の全貌が見えている段階ではないが,その経過報告として,現在までの活動の一端を紹介することで,「ケアリング」の「現象学的研究」のためのもう1つのアプローチを描くことができればと思う。
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