日本看護診断学会・第25回学術大会報告 【記念企画】
看護診断:黎明期から今,そしてこれから
草刈 淳子
1,2
Junko Kusakari
1,2
1愛知県立大学
2元愛知県立看護大学
1Aichi Prefectural University
キーワード:
「看護」とは
,
看護職の合意
,
専門職
,
看護の「責務」
,
文化的背景による用語の違い
Keyword:
「看護」とは
,
看護職の合意
,
専門職
,
看護の「責務」
,
文化的背景による用語の違い
pp.31-40
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200050
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
「看護診断」は,専門職たる看護職がその責務を果たすうえで基本となるもので,ケアの受け手に対して適切な判断に基づく対応により,成果を上げ,他職者とともにケアの受け手の幸せにつながる活動にすべきで,そのためには正しい判断が基礎となる.
初期の日本看護診断学会(以下,本学会)は,NANDAの用語を理解するのに懸命で,分類用語のあてはめになりかねない状況があったため,日本の看護界でも受け入れられていない部分がある.高度先進医療から高齢者介護にいたる広範囲にわたり,看護職者が共通概念で対応できるよう,学会名は「診断・対処・成果」を含める方向で検討されるべきであろう.
急速に変化し高度先進化する医療の中で,看護職がなすべきケアが何であるか,専門職たる看護職が見解を同じにすることが重要であり,看護基礎教育課程の中で学ぶ必要がある(医師の直接指示下にある「診療看護師」についてはどう考えるべきか).
『2000年に看護を語る—急いで,しかし着実に責務を果たす時が来た!』(草刈ら,2000)は,本学会の発起人であった日野原重明先生をはじめ,金子光先生,大森文子先生の他,看護を応援してくださる他分野の学者の先生方と各領域の看護職者30数人によって書かれている.見藤隆子日本看護協会会長(当時)も松木光子本学会初代理事長も書いておられるので,ぜひ購読されたい.
本学会の誕生からすでに25年の年月が経過している.この間の変化とその方向を見定め,将来進むべき方向を大いに論議され,本学会のさらなる発展を期待したい.
Copyright © 2020, Japan Society of Nursing Diagnosis. All rights reserved.