日本看護診断学会第10回学術大会報告 電子カルテ時代の看護診断
【招聘講演】
看護情報科学における看護診断の役割
野島 良子
2
Marjory Gordon
1
1Boston College Chestnut Hill, Massachusetts, USA
2前滋賀医科大学医学部看護学科
pp.62-67
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100188
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人間は,個人生活のなかでも職場環境においても,あらゆる選択や決断を情報に頼って行っています.みなさんご自身の生活について考えてみてください.1日の時刻についての情報は,みなさんが今朝起床されたときに影響を及ぼしたはずです.窓の外へ目をやったときの外の様子やラジオ・テレビから流れてくる天気予報などの情報が,今日は何を着ようかということを左右したでしょう.バスや汽車,あるいは地下鉄情報が,何時に家を出るかを決める要素になるでしょう.どのような職場でも情報は常に重要な役割を果たしています.記憶のなかに知識という形で蓄えられたものであろうと外的手がかりであろうと,私たちは賢い判断や意思決定をするために情報をもっていなければなりません.
看護実践で,患者に関する情報は賢い臨床判断をする際に非常に重要です.近年,ナースは患者のケアのなかから引き出された臨床データを,患者の健康上の問題とその治療についての情報を提供してくれる有用なカテゴリーに編成してきています.そのカテゴリーというのは,もちろん,看護診断,介入,アウトカムのことです.この講演では情報科学における看護診断の役割,ならびにその継続的発展と洗練化に焦点を絞ってお話しします.
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