日本看護診断学会第10回学術大会報告 電子カルテ時代の看護診断
【招聘講演】
世界の看護情報科学と米国における EPRの現状
黒江 ゆり子
2
Roy L. Simpson
1
1Nursing Informatics, Cerner Corporation(看護情報処理部門)
2岐阜県立看護大学大学院
1Nursing Informatics, Cerner Corporation
pp.55-61
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100187
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はじめに
私たちはさまざまな理由で看護師という職に就いています.子供時代に看護という職業を選んだ人もいれば,他者から影響を受けて看護の仕事に入った人もいるでしょう.しかし,看護情報科学者になった私たちのような場合は,動機はきわめて単純で,別の用語で話をすることに嫌気がさしたからです.私は,複数の病院からなる巨大企業の最高経営責任者として,組織を運営するための情報を必要としていました.財政的データの入手は可能でしたが,看護についてはまったく不可能でした.そこで,必要なデータを探し始め,看護ミニマムデータセットの世界に入り,看護を表す用語の探索にとりかかりました.それから30年が経過し,探索は今でも続いているのです.
本日,私がここに来たのは,世界の看護情報科学と米国における電子カルテの現状について皆さんに話をするためです.最初に概略を示し,実情と背景,そして実行可能なことと,看護において実現しなければならないことについて触れようと思います.皆さんには看護情報科学が世界的に成長するために何が重要であるかをご理解いただけると思います.そこが,看護師が専門職として広く活躍する洗練された科学技術をもつことを決定するポイントであり,看護が保健医療業界において,責任ある職務を担うことにつながるのです.
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