日本看護診断学会第5回学術大会報告 看護診断-介入-成果のリンケージ
【事例セッション報告】
クリティカルシンキングを活用した事例セッション―事例を通し看護診断-介入-成果のリンケージを見直してみよう
大島 弓子
1
,
村中 陽子
2
Yumiko Ohshima
1
,
Yoko Muranaka
2
1山梨県立看護大学
2東海大学
1Yamanashi College of Nursing
2Tokai University
pp.61
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100059
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[プレゼンター] 西又玲子(北里大学病院),青柳明子(北里大学東病院)
[コメンテーター] 矢田眞美子(神戸大学医学部保健学科),幸阪貴子(国立がんセンター中央病院)
看護診断を正確に行うことにより,患者/家族のニーズが正確に把握でき,そのニーズに合ったよりよい介入がなされ,結果として成果につなぐことができる.このよりよい成果につながる看護診断を導くには確実なアセスメントをすることが必須であり,そのためにクリティカルシンキングスキルを活用することは有効である.このように展開される看護過程は,患者/家族にとって有意義なプロセスになると思われる.これらの一連のプロセスを,実際に展開された事例をもとに,参加者全員で具体的に理解し合うことができることをねらいとして,今回,「事例セッション」を企画した.
事例展開のプレゼンテーションは2例で,1例目は,北里大学病院の西又玲子さんから,肺がんで疼痛や呼吸困難があり,終末期の状況にあるA氏の「慢性疼痛」に焦点を当てて,看護診断-介入-成果の一連のプロセスが発表された.2例目は,北里大学東病院の青柳明子さんから,25歳の男性でクローン病をかかえながら生活をしていく患者A氏の「不安」を焦点に,看護診断-介入-成果の一連のプロセスが発表された.これらの事例展開のプレゼンテーションののち,会場の参加者から,情報収集の方法,診断の時期,他の診断仮説との関連性や鑑別などについて質問や意見が出され,活発にディスカッションがされた.
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