特集 クリティカルシンキングのスキルを育てる
第2部 看護教育にクリティカルシンキングをどう活かすか
看護過程とクリティカルシンキング
江本 愛子
1
1三育学院短期大学
pp.955-960
発行日 2002年11月30日
Published Date 2002/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903314
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はじめに
変化の激しいこの時代にあって,クリティカルシンキングは専門職者の資質としても,人生に成功するためにも欠かせない.米国においては1989年から,全米看護連盟(National League for Nursing)が看護基礎教育課程修了時の重要な能力としてクリティカルシンキングを明確に位置づけた1).日本でも,科学的な判断能力の育成は専門職としての看護基礎教育の重要な目標として掲げられている.とりわけ看護過程には,実際,科学的な判断能力が求められ,教育カリキュラムの中にも看護過程が定着している.そして現在,看護過程とクリティカルシンキングとの関連性について関心が高まってきた.
筆者は看護基礎教育のなかで,看護過程を基本的な看護実践方法論として位置づけ,教育に携わってきた,現在は継続教育の場で看護診断能力のグレードアップを目指すプログラムに関わることが多く,参加者主体の相互評価を取り入れている.また,看護におけるクリティカルシンキングに関する書物の邦訳にも数回携わってきた.本稿執筆にあたり,あらためて「自分の考えを考える」というクリティカルな思考を迫られた.
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