第24回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 教育講演1
糖尿病性神経障害を診断し治療するということ—足を看て,生活・人生を護る
神谷 英紀
1
,
柴田 由加
2
,
中村 二郎
1
Hideki Kamiya
1
,
Yuka Shibata
2
,
Jiro Nakamura
1
1愛知医科大学医学部内科学講座糖尿病内科
2愛知医科大学病院中央臨床検査部
1Aichi Medical University
2Aichi Medical University Hospital
キーワード:
糖尿病性神経障害の診断
,
Diagnosis of Diabetic Neuropathy
,
糖尿病性神経障害の治療
,
Treatment of Diabetic Neuropathy
,
簡易診断基準
,
Simple diagnostic criterion
,
角膜共焦点顕微鏡
,
Corneal Confocal Microscopy
,
神経伝導検査
,
Nerve Conduction Study
Keyword:
糖尿病性神経障害の診断
,
Diagnosis of Diabetic Neuropathy
,
糖尿病性神経障害の治療
,
Treatment of Diabetic Neuropathy
,
簡易診断基準
,
Simple diagnostic criterion
,
角膜共焦点顕微鏡
,
Corneal Confocal Microscopy
,
神経伝導検査
,
Nerve Conduction Study
pp.45-50
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
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- 文献概要
- 参考文献
糖尿病性神経障害とは
糖尿病性神経障害とは,糖尿病に特有の代謝障害と細小血管障害が関与して生じる末梢性神経障害である.それを分類すると,多発性神経障害と局所性神経障害に大別されるが,一般的に糖尿病性神経障害といえば前者を意味し,さらに遠位対称性神経障害と自律神経障害に分けられる.遠位対称性神経障害は,左右対称性に体幹から最も遠い足裏あるいは足先から生じる感覚障害である.初期には,高血糖に伴う神経細胞の機能異常あるいは,神経線維の脱落に伴う幼弱で未熟な再生神経線維により痛みやしびれが生じる(陽性症状).一方で,神経障害が進行すると神経線維の脱落が進み,それに伴い感覚鈍麻に至る(陰性症状).下肢の感覚機能の低下は,将来的な壊疽の予備軍となることを意味し,それを阻止するために早期からの神経障害の診断と早期治療介入が必要となる.また既に神経障害が進行している場合でも,どの程度までその機能が低下している かを診断し,その状態に応じた治療介入を行っていくことが不可欠といえる.
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