特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
[Chapter 3] 血糖値だけではない糖尿病併存症の診断・予防・治療
糖尿病性神経障害の診断・予防・治療
三浦 絵美梨
1
,
神谷 英紀
1
1愛知医科大学 医学部内科学講座糖尿病内科
キーワード:
簡易診断基準
,
DPNチェックTM
,
フットケア
Keyword:
簡易診断基準
,
DPNチェックTM
,
フットケア
pp.1129-1132
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1129
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▪糖尿病性神経障害は,糖尿病患者に最も高頻度にみられる合併症であり,QOL低下や下肢切断,心血管死の危険因子である.定期的に神経障害の評価を行って,早期診断と進展予防に努めることが重要である.
▪糖尿病性神経障害の発症・進展予防には,良好な血糖コントロールの維持が重要である.
▪成因治療薬であるepalrestatは,神経障害が進行していない患者を対象に,良好な血糖コントロールを維持しながら使用することが勧められる.神経障害性疼痛に対する薬物療法では,副作用に十分留意する.自律神経障害に対しては対症療法だけでなく,原因となりうる薬剤を評価したうえで,それらを避けることも重要である.
▪フットケア教育は足病変の予防に有効であり,すべての糖尿病患者に早期からフットケア教育を行うことが推奨される.
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