第24回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 会長講演
身体から生活・人生を看る—成長していく子どもたちが教えてくれたこと
中村 伸枝
1
Nobue Nakamura
1
1千葉大学大学院看護学研究科
1Chiba University, Graduate School of Nursing
pp.41-44
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
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1.はじめに
第24回学術集会のメインテーマは,「身体から生活・人生を看る」とした.自身の30年余りの小児糖尿病キャンプへの参加や小児糖尿病外来での活動及び研究を通して,子どもとその家族に生じる困難や課題は子どもの発達段階に伴い変化していくこと,困難を乗り越えるたびに力をつけていく子どもや家族の強さ,そして子どもや家族を支える様々なサポートの重要性を学んだ.そのなかで,子どもの身体の変化がこれらの困難や課題にも大きく影響を与えることを実感してきた.心と身体そして生活を,対象者が自ら,あるいは協力を得ながら整えていけるようにケアすることは看護の基本である.糖尿病は生活のなかで管理していく疾患であり,治療やライフステージに伴う変化など対象に共通する視点と,生活の仕方や信念など一人ひとり異なる視点を合わせてケアしていくことが必要と考える.複雑な事象をどのような脈絡でとらえ,ケアを創造していくか,本学術集会ではその視点を身体においた.
会長講演では,テーマをふまえ,これまでの小児糖尿病にかかわる活動や研究を通して1型糖尿病をもつ子どもやその家族から学んだことに焦点をあてた.
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