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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
合併症
糖尿病性神経障害
-――早期診断への期待
Diabetic neuropathy
――Expectation to early diagnosis
姫野 龍仁
1
,
神谷 英紀
1
,
中村 二郎
1
Tatsuhito HIMENO
1
,
Hideki KAMIYA
1
,
Jiro NAKAMURA
1
1愛知医科大学医学部内科学講座糖尿病内科
キーワード:
糖尿病性多発神経障害(DPN)
,
遠位対称性多発神経障害(DSPN)
,
感覚運動神経障害
,
糖尿病性自律神経障害(DAN)
,
心血管自律神経障害(CAN)
Keyword:
糖尿病性多発神経障害(DPN)
,
遠位対称性多発神経障害(DSPN)
,
感覚運動神経障害
,
糖尿病性自律神経障害(DAN)
,
心血管自律神経障害(CAN)
pp.480-484
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605480
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糖尿病性神経障害は,四肢の遠位より感覚機能障害が顕在化する特徴を持つ糖尿病性多発神経障害(DPN)が大半を占める.本稿では,そのDPNの早期診断に関する近年の知見を紹介する.DPNは最も頻度の高い糖尿病性合併症であるが,臨床的意義については十分に理解されていない.従来,DPNが足潰瘍・足壊疽などの重要な危険因子であることや,疼痛やしびれなどによるQOLの低下をもたらすことがよく認識されてきた.一方で近年,DPNの存在が心血管予後および生命予後の増悪をもたらす可能性が指摘されており,DPN診断の重要性が増大している.症候的に明らかなDPNを合併した時点で予後が顕著に増悪することは,臨床経験からも肯首できるところであるが,近年では,より早期からの無症候性DPNの診断が,患者の予後改善につながる可能性が期待されている.DPNと心血管・生命予後の因果関係を論ずることは時期尚早ではあるが,本稿では近年の論議の高まりの一部を紹介したい.
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