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研究報告
母親のかかわり方が幼児期発症の1型糖尿病をもつ子どもの療養生活に与える影響
Mothers' attitude and behavior towards children with early-onset type 1 diabetes and its effects on the children's treatment regimen
出野 慶子
1
,
中村 伸枝
2
Keiko Ideno
1
,
Nobue Nakamura
2
1東邦大学医学部看護学科
2千葉大学大学院看護学研究科
1School of Nursing, Faculty of Medicine, Toho University
2Chiba University Graduate School of Nursing
キーワード:
1型糖尿病をもつ子ども
,
母親のかかわり方
,
療養生活
Keyword:
1型糖尿病をもつ子ども
,
母親のかかわり方
,
療養生活
pp.155-161
発行日 2010年9月30日
Published Date 2010/9/30
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本研究の目的は,幼児期発症の1型糖尿病をもつ学童期の子どもに対する母親の,幼児期から現在までの子どもへのかかわり方と,子どもの療養生活の状況を明らかにすることにより,1型糖尿病をもつ幼児の母親に対する看護援助の示唆を得ることである.幼児期発症の1型糖尿病をもつ学童の母親7名を対象とし,母親の子どもへのかかわり方と子どもの療養生活の状況などについて半構造化面接を実施した.その結果,血糖コントロールをあまり乱さないように気をつけながら,子どもの気持ちや欲求にできるだけ応じている母親は,子どもの療養生活におけるストレスを増強させないことにつながっていた.また,子どもの具体的な療養行動の自立を視野に入れている母親は,子どもが理解・実施できそうな療養行動を促しており,子どもは発達段階に見合った療養行動を実施していた.一方,子どもの「注射は痛い,面倒.」という感情に巻き込まれている母親は,子どもに療養行動を促すことが難しく,子どもは療養行動を自分のこととして意識しにくい状況があった.これらより,言語的表現が未熟な幼児の気持ちや欲求を母親が読み取り,それらと血糖コントロールとの折り合いをつけて母親がかかわれるように援助すること,および母親が療養行動の自立を視野に入れて子どもにかかわれるように援助することは,1型糖尿病をもつ幼児期の子どもを育てる母親への看護援助として示唆された.
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