Japanese
English
研究報告
小児期に糖尿病を発症した青年の糖尿病をもちながら成長する経験―小学校低学年で発症した小児糖尿病キャンプ参加者の体験
Personal development with diabetes of adolescents with ealy-onset type 1 diabetes: experiences of adolescents who were diagnosed at lower grade of elementary school and participated in diabetes camps
中村 伸枝
1
,
金丸 友
2
,
出野 慶子
3
Nobue Nakamura
1
,
Tomo Kanamaru
2
,
Keiko Ideno
3
1千葉大学大学院看護学研究科
2元千葉大学大学院看護学研究科
3東邦大学
1Chiba University, Graduate School of Nursing
2Chiba University, Graduate School of Nursing
3Toho University, School of Nursing
キーワード:
1型糖尿病
,
小児
,
糖尿病をもちながら成長する体験
,
小児糖尿病キャンプ
,
サポート
Keyword:
1型糖尿病
,
小児
,
糖尿病をもちながら成長する体験
,
小児糖尿病キャンプ
,
サポート
pp.18-24
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
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本研究の目的は,小学校低学年で糖尿病を発症し小児糖尿病キャンプに参加経験がある子どもの糖尿病をもちながら成長する体験を明らかにし,長期的な成長発達の視点をもつ看護援助への示唆を得ることである.小学校低学年で1型糖尿病を発症し,現在22~28歳の青年4名を対象に,発症時期から現在までの時間経過に沿って糖尿病や療養行動に関連した生活のあり様について自由な語りを得た.それぞれの時期の体験から,糖尿病をもちながら成長する体験,小児糖尿病キャンプの体験,糖尿病になったことを抽出した.その結果,小学校低学年に発症した者は,発症時の状況や親のショックなどを鮮明に覚えていた.全ケースが糖尿病発症により周囲の人とうまくいかない経験やとても気を使う体験をし,本人の努力と周囲のサポート,小児糖尿病キャンプへの参加により乗り越えていた.高校卒業後は,全ケースが親の意向も受け入れつつ自立して自らの道を選択し,新たな課題には新たな対処を取り入れて向かっていた.以上の体験と糖尿病になったことの意味づけから,【糖尿病と向き合う人生は,より豊かでメリハリのある人生】が導かれた.
発症時の状況や親のショックを感じながらも自力で対処する力が充分には備わっていない小学校低学年発症の子どもに対し,発症時から年齢なりに糖尿病と向き合い,対処しながら成長していく体験を支える看護の必要性が示唆された.
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