第5回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/横浜 《パネルディスカッション》リハビリテーションにおけるシステム連携―座長/近藤 和泉・菊地 尚久
まとめ
近藤 和泉
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1独立行政法人国立長寿医療研究センター
pp.407-409
発行日 2011年6月18日
Published Date 2011/6/18
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はじめに
システムとは,1つの目的のために全体として一緒に働いている関連するパートの集合のことであり,システム連携という言葉は,一般的には企業におけるコンピュータ・システムの統合的な運営のことを指し,違う目的で作られたシステムを統合して有機的に利用することを意味する.今回のパネルでは,脊髄損傷・脳外傷・小児疾患(発達障害)などのトピックが取り上げられ,特に人的資源が少ない,あるいは散在化している状況で,システムを構築し,それをどのように運用していくかについての発表が行われた.上記のシステム連携の一般的な認識に照らし合わせると,1)脊髄損傷においては急性期病院,リハビリテーション(以下,リハ)病棟,回復期リハ病棟,2)脳外傷では,県レベルで介護保険関連機関,高次脳機能障害支援センター,働き暮らし支援センター,職場・学校関係者,弁護士,障害福祉サービス提供機関および地域・市町保健福祉行政機関などが,さらに実務レベルで高次脳機能障害支援センター,自立支援施設,相談機関および障害者職業センターが,3)小児疾患(発達障害)においては,地域の小児医療福祉施設およびリハ病院などの諸機関あるいは実務担当者が,個別のシステムとして動いている状況が読み取れる.これをリハ科医がどのようにコーディネートし,クライアントに対して有効なサービスを提供できるようにするかがシステム連携であり,そのための不可欠な要素の1つが,効率的な情報伝達であると考えられる.
以下では,システム間でコンピュータネットワークを介して行われる情報伝達の仕組みを紹介し,それを通じて,今後のリハ医療におけるシステム連携の在り方について考察したい.
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