研究会レポート
まとめにかえて
三田寺 おとめ
1
1東京都滝野川保健所
pp.56
発行日 1965年10月10日
Published Date 1965/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203486
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幼児期の保育は人格形成にたいせつな時期であるといわれている.しかし行政上3歳児検診はあるが,比較的この層への関心がうすいのではないかと考えていた.この際研究会に出席して講師の方々が,それぞれの立場でどのように考えて日常とりくんでいるかを学ぶことができた.子どもは親の私有物ではない.社会のたいせつな子どもである.このかわいい芽をすこやかに,正しく,明るくのばしてゆくことは,私ども大人の社会の責任でもあると思う.乳児と3歳児を持っている網野さんは子どもを平等にかわいがるように工夫され,パートで職についている坊城さんは絵入りの連絡便で,ユーモアある子どもさんとの交換をしている.母親のこんな心づかいが,子どもの将来にきっとよい栄養素となると思う.及川園長さんも3歳までは家庭保育が理想であると申されているが,外に働く母親の数は多くなっている現在,どうしても保育施設の拡充が必要であると思う.私ども関係ある職にいるものは,今後これを機に幼児期保育の重要性について声を高めるとともに業務の上にも実践するように努力せねばならないと思う.
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