特集 第16回社会医学研究会
特別報告
座長のまとめ
曽田 長宗
,
野村 茂
pp.861
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205117
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この特別報告に先立って,共同座長の曽田世話人も述べられたように,15年前の社会医学研究会の発足には,今次大戦後における新しい社会体制下の国民の生活と健康の実態,そして衛生行政や医学教育・研究の動向を直視する有志の間に,日本の医療と国民の保健を向上させるためには本会が趣旨とするような視角で医学の問題が把えられることが必要であると考える思潮が高まって,本会が産声をあげたという,当時の現実があったのである.
いま,演者の述べるところによれば,本会設立の準備会は1958年福岡の学会の折にもたれたとのことであり,また,熊本が,わが国の社会医学の草創の頃の先駆者・国崎定洞先生の御郷里であることなどを思い起こすとき,本総会を当地で開催することに,いまさらながら少なからざる因縁を覚える.演者が指摘するように,今日のこの社会医学研究会の歴史は15年であるが,その歩みを把えるためには,日本の医学の中の重要な課題への社会医学的接近がどのようになされ,社会医学的調査・研究のいかなる成果がみられてきたか,そして医学の中におけるその位置づけがどのようであったか,などを振り返ることなくしては果たせない.
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