第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《教育講演》
リハビリテーション医療における安全対策と危機管理
高岡 徹
1
1横浜市障害者更生相談所
pp.206-211
発行日 2011年3月18日
Published Date 2011/3/18
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はじめに
リハビリテーション(以下,リハ)医療は本質的にリスクを伴う治療である.対象者は運動機能,あるいは知的低下や高次脳機能障害といった精神機能の障害があり,さらに,生活習慣病などの全身合併症を有する場合が多い.
一方,リハをしなければ廃用に陥るリスクがあり,安全のために安静を強いるということは許されない.むしろ積極的に運動や作業を進めていかなければならない.さらに,本人自身がリスク管理をすることは困難なことも多く,こうしたことを患者や家族にも理解してもらうことが必要である.その上で,われわれは患者の安全と利益に十分な配慮をしたリハの対策や組織体制の整備を実施しなければならない.
本医学会においては,2006年に「リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン」1)を発刊し,学会として1つの目安を示した.本稿では,リハ医療における安全対策あるいは安全管理と危機管理の原則を述べる.今回は個々の具体的なリスクに関しては言及しない.
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