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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
感染制御・救急災害医療など危機管理の視点から
医療安全管理と災害・健康危機リスク管理の連続性
Continuity between patient safety management and health emergency and disaster risk management
松村 由美
1
Yumi MATSUMURA
1
1京都大学医学部附属病院医療安全管理部
キーワード:
システム
,
リスク
,
ハザード
,
地域
,
回復力
Keyword:
システム
,
リスク
,
ハザード
,
地域
,
回復力
pp.13-17
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010013
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医療安全はシステムズアプローチを基本とする.単にインシデントや危機に対応するだけでなく,潜在的なリスクの管理に重点を置き,リスクが発生した場合の組織の回復力を構築することを重視して,リスクを減らし安全を向上させる医療システムをつくり,維持する.システムは,小さなレベルから大きなレベルまでさまざまなものがあり,各システムは,別のシステムの影響を受ける.医療システムは,医療以外のシステムの影響も受けており,医療以外のシステムの問題による医療への影響を最小化することも必要である.災害・健康危機リスク管理も医療安全管理と同様の考え方が成り立つ.災害・健康危機リスク管理は,通常の医療体制と密接に関係している.通常の医療体制の中に,災害時に対応できる能力を確保しておくように医療システムを設計することが,災害・健康危機リスク管理にもつながり,災害時の回復力を向上させるための管理システムの一部として機能するであろう.

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