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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
感染制御・救急災害医療など危機管理の視点から
健康危機における医療管理
-――医療専門職人材の機能限定性に着目して
Medical management in the health crisis
――Focusing on the limited functionality of medical professionals/specialists
加藤 源太
1,2
Genta KATO
1,2
1京都大学医学部附属病院診療報酬センター
2同病床運営管理部
キーワード:
医療管理
,
医療専門職
,
機能限定性
,
人材育成
Keyword:
医療管理
,
医療専門職
,
機能限定性
,
人材育成
pp.18-22
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010018
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健康危機に直面した際に必要となる医療管理の要諦は,①:健康危機によって,②:医療機能が急激に低下するか,③:医療需要が急激に変化(増加とは限らない)するか,④:②と③のいずれか,あるいは両方によって生じる,医療需給の不均衡の調停,にあると考えられる.健康危機によって,医療機関などの建物やライフラインなどといったハードインフラ,多様な職種の医療専門職からなるソフトインフラの,いずれもが棄損される.しかし,専門領域の質の向上を使命とする医療専門職においては,その機能限定性から,医療需給の不均衡が生じたとしても,専門性から外れるような緊急の異動や業務変更に継続的に対応することは容易ではない.これを解決する一案として,災害派遣など,いつもの職場の論理とは切り離された場面で非日常的な医療の需要に対応する経験を有した人材を確保しておくことで,健康危機に直面して生じる医療需給の不均衡を円滑に調停することにつながる可能性がある.

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