日本学術会議環境保健学研究連絡委員会主催公開シンポジウム 環境と健康の危機管理・2
学校における安全危機管理
南 哲
1
1神戸大学発達科学部
pp.873-877
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902864
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「水泳さえ教えなければ…」
今から半世紀前の1954年秋,相模湖での私立麻布中学校の遊覧船転覆事故で,湖底に沈んだ長男を追悼し,今なお苦汁の想いを抱き続ける95歳の老父の後悔を知って愕然とした.水難事故から身を守るために,中学入学以来ふた夏の父子水泳特訓がかえって災いしたのではないか,編み上げ靴と着衣のまま船から最も遠くまで泳いで沈んでいた愛子を不欄としたものであった.この相模湖事件は,後に「日本学校安全会法」成立の嚆矢となったと言われる.俳人でもあるその父の一句を添えたい.
悲しみを沈めて碧し秋の湖 筧水
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