第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《シンポジウム》骨関節疾患リハビリテーション―Up to date―座長/吉永 勝訓・住田 幹男
膝関節に対する運動療法・筋力トレーニングのup to date―血流制限下筋力訓練を中心に―
桜庭 景植
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1順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ医学
pp.276-282
発行日 2010年5月18日
Published Date 2010/5/18
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はじめに
筋力訓練は,競技力向上1),傷害からの回復・リハビリテーション(以下,リハ)や中・高齢者の健康運動に重要である.また,筋力訓練は,高強度で行うことにより筋力向上・筋肥大の効果があらわれるとされる2).しかし,傷害直後のリハや不動などにより筋の萎縮が進んでいる者には,高強度の筋力訓練は筋力を増大させるどころか,筋や関節など運動器に悪影響を引き起こす危険性が指摘されている.
上記のような危険性を軽減するために,近年,低強度で筋力の向上がみられる「血流制限下筋力訓練」の研究が進められている3).「血流制限下筋力訓練」とは,四肢の基部を圧迫し,筋への血流を制限した状態で筋力訓練を行うものであり,極めて低強度でトレーニング効果を引き起こすことが可能とされている.
今回の原稿では,血流制限下筋力訓練の効果について,Ⅰ:アスリートに対する効果,Ⅱ:至適加圧量,Ⅲ:筋力訓練なしでの血流制限の筋委縮抑制効果について報告する.
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