Japanese
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入門講座 筋力増強訓練・3
筋力弱化の著しい場合の筋力増強訓練
The Muscle Strengthening Exercise. 3: Strengthening Exercises for Severely Weakened Muscles
林 義孝
1
,
井上 悟
1
,
淵岡 聡
1
,
米田 稔彦
1
,
河村 廣幸
1
,
木村 朗
1
Yoshitaka HAYASHI
1
,
Satoru INOUE
1
,
Satoshi FUCHIOKA
1
,
Toshihiko YONEDA
1
,
Hiroyuki KAWAMURA
1
,
Akira KIMURA
1
1大阪大学医学部附属病院理学療法部
1Department of Physical Therapy, Osaka University Hospital.
pp.187-192
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103707
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Ⅰ.初めに
理学療法士が用いる種々な治療技術の中でも運動療法における筋力増強訓練は,身体を動かすための最もたいせつな機能である骨格筋組織に対する訓練法として,きわめて重要なものである.この分野の基礎的技術に関しては,1948年にDelormeにより提唱された漸増抵抗運動法(PRE)や1953年Hettingerらによる等尺性運動の応用などが知られている.
これら筋力増強の基本的理論を踏まえ,われわれは日々の訓練の実際においてその疾患に最も適すると思われる訓練プログラムを作成し,患者の日常生活動作能力の向上を目的に訓練を実施している.なかでも,徒手筋力検査で言う筋力0~3レベルの筋力弱化が著しい症例ではその訓練方法の選択肢は比較的少ない.加えて,訓練の実際において疾患の病態に起因する種々の身体的制約が伴うので,訓練効果の獲得に苦労することが多い.
本稿では,これら筋力弱化の著しい場合の筋力増強法について,臨床における実際面を中心にその実施方法について述べる.
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