Japanese
English
シンポジウム 脳病変による談話障害へのアプローチ
座長記
Preface
浮田 弘美
1
,
吉畑 博代
2
Hiromi Ukita
1
,
Hiroyo Yoshihata
2
1大阪大学医学部附属病院リハビリテーション部
2県立広島大学保健福祉学部コミュニケーション障害学科
pp.12-13
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100185
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- Abstract 文献概要
言語機能検査上ほとんど問題のないレベルに到達した失語症患者との会話に何となく違和感を覚えることがある.その逆に,言語機能障害があるにもかかわらずコミュニケーションがとれる場合もある.また,喚語困難や文法障害などを認めないにもかかわらず,互いに意思疎通が困難な非失語症の脳損傷患者に出会うこともある.これらの現象は,コミュニケーションにはいわゆる言語機能だけではなく,談話レベルの能力あるいは語用論的機能も関わっていることを示唆している.
「語用論」とは,「実際的な,実用的な」という意味の形容詞pragmaticからできた英語pragmaticsの訳語である.語用論では単語や文といったいわゆる言語形式そのものではなく,実際の言語運用を研究対象としている.つまり,ことばが実際に使われている場面で,そのことばがどのような意図を伝えているかを扱う分野である.
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