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シンポジウム 特別支援教育における言語聴覚士の役割―「いま」から「みらい」へ
座長記
Preface
齋藤 佐和
1
Sawa Saito
1
1目白大学保健医療学部言語聴覚学科
pp.73-75
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100283
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平成19年度4月に特別支援教育制度がスタートした.幼児期を含む様々な年齢段階で生活上,学習上の困難のある子どもたちに対して,特別支援学校,特別支援学級,通級の指導教室だけでなく,通常学級も含めて教育的に対応すべきことが明確化され,特に発達障害を特別支援教育の対象として新たに位置づけたことが新制度のポイントとなっている.さらに,乳幼児期から学校卒業後までの一貫した相談・支援体制の構築が課題として認識され,そのために特別支援学校にも小・中学校にも特別支援教育コーディネーターを置いて,保健・医療・福祉・労働諸機関,教育機関同士の連携のつなぎ手の役割を果たすことが求められている.地域における特別支援学校のセンター的機能についても明記された.
障害のある子どもとその家族にとって,保健・医療・福祉・労働のシステムと教育のシステムはシームレスであることが望まれるが,依然として家族が機関間のつなぎ手になってしまっている状況も少なくない.特別支援教育への制度移行によって,曲がりなりにも一貫した支援という理念は提示されたが,望ましいシステムへの道のりはまだまだ遠いと感じられる.しかし,それぞれの地域で実践,試行されている取り組みから方向性やヒントを見いだすことは可能であり,本シンポジウムでは,特別支援教育にかかわっている言語聴覚士の活動事例や様々な立場からの提言を共有して今後の展望を開きたいと考えた.
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