Japanese
English
シンポジウム 認知症に対する言語聴覚療法—保健・医療・福祉における実践と展望
座長記
Preface
佐藤 睦子
1
,
飯干 紀代子
2
Mutsuko Sato
1
,
Kiyoko Iiboshi
2
1総合南東北病院神経心理学研究部門
2志學館大学人間関係学部心理臨床学科
pp.11-12
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200067
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- Abstract 文献概要
“我が国の認知症有病者ならびに軽度認知障害者(mild cognitive impairment:MCI)の推計値はそれぞれ462万人と400万人”と厚生労働省研究班から発表され,従来の推計値を大きく上回った,と衝撃をもって報道各社に報じられたのは平成25年のことである.認知症をテーマにシンポジウムを企画するべきであるし,特別講演を東北大学大学院教授森悦朗先生にお願いするべきであると,第16回日本言語聴覚学会遠藤佳子会長に進言させていただいたのは,このような社会情勢が背景にあってのことではあった.しかし,社会情勢に後押しされただけではなく,何よりも,認知症とはその人のそれまでの能力や生き方が自ずと症状に現れるもので,これこそが言語聴覚士がかかわるべき高次脳機能障害の1つであると常々思っていたからであった.最近の政策の動向などを見ても,この企画は間違いなく的を射たものだったと実感する昨今である.すなわち,平成26年11月にG7認知症サミット日本後継イベントが開催され,平成27年1月には先の認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)をさらに進化させた認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が発表されて,国レベルの並々ならぬ意思を感じさせる施策が続いているのである.だからこそ,今,言語聴覚士は認知症について学び行動しなくてはならないのではないかというのが本シンポジウムのテーマであった.
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