特集 地域リハビリテーションの未来を語る
医療機関からの地域リハビリテーション—現状と未来
岡持 利亘
1
,
岡部 知昭
2
,
荒木 友希
3
,
黒川 哲也
1
,
駒井 敦
1
,
鈴木 幸季
4
,
中間 浩一
5
,
齊藤 正身
6
1埼玉県地域リハビリテーション・ケア サポートセンター霞ヶ関南病院
2医療法人真正会リハビリテーション部 医療法人真正会地域リハビリテーション推進部
3川越市地域包括支援センターだいとう
4川越市地域包括支援センターかすみ
5埼玉県地域リハビリテーション・ケア サポートセンター霞ヶ関南病院
6かすみケアグループ(医療法人真正会・社会福祉法人真正会・一般社団法人Hauskaa)
pp.427-433
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201267
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
「地域リハビリテーション」(以下,リハビリテーションはリハ)に憧れ,定義に書いてあることを形にしたいと,さまざまな取組を進めてきた。
介護保険が始まりしばらく経った頃,「私,地域リハ行ってます」と嬉しそうに語る言葉をよく聞いた。本人は,介護保険の訪問サービスを指して,地域リハと言ったようだが,当時の受け取り方は人により違っていた。医療機関で働くリハ職がほとんどだった時代には,職場以外の場所に出て行くことは新鮮かつ,誇らしく感じたと思う。時間が経過し,保険サービスである共助以外にも,自助・互助・公助の部分で,リハ職の活用が進む現在では,「地域リハ行ってます」と言われると,「どの事業?」と聞きたくなるほど,地域包括ケアの推進を支える地域リハの取組は多様に拡がった。
もう一方で,「上司から許可が出なくて」「担当の人が替わったから,進まなくなった」「行政がOK出してくれない」と,できない理由を述べられシャットアウトという,取り付く島もないコミュニケーションに残念な思いをすることもある。
本稿では,医療機関と取り巻く環境を含んだ地域リハの取組を通じて,未来への期待を考えたい。
Copyright © 2021, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.