巻頭言
超高齢社会における歯科医療の役割
山口 康介
1
1医療法人こうすけデンタルクリニック
pp.300-301
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200366
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人間にとって,言葉を介したコミュニケーションは“生きていく”ために必要不可欠であると思う。
13歳のときまで,曾祖母が生存していた。35年も前のことになるが,最近,その曾祖母のことがしばしば脳裏に甦ってくる。90歳という長き人生を全うして亡くなったが,亡くなる1年ほど前から,身体も動かず,言葉も発せずという状態になり,入院していた。いわゆる,脳卒中であったと思う。当時の感覚を振り返ると,見えない,聞こえない,話せない,理解できない,何も感じない,ただ呼吸をして寝ているだけの老人としてしか見えていなかった。
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