特集 生活を支える下肢装具
在宅における短下肢装具のチェックポイント
坂井 一浩
1,2
1日本義肢装具士協会
2人間総合科学大学
pp.328-331
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200374
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短下肢装具
脳卒中片麻痺者の下肢装具として長下肢装具や短下肢装具があるが,このうち本稿では在宅での使用頻度が高い短下肢装具1)に焦点を当てて解説する。
短下肢装具とは「下腿部から足底に及ぶ構造をもち,足関節の運動を制御する装具の総称」2)であり,主として下腿支持部,足継手,および装具足部によって構成される(図1)。短下肢装具による足関節制御の種類には,固定,可動域制限あり/なし,補助,制動があり,足継手の特性によってこれが決まる。足継手で発生するこれらの制御力が,下腿支持部,装具足部,およびベルトによって体節に伝わることによって足関節の運動が制御される。例として,麻痺側足関節の尖足に対し短下肢装具で底屈制限を行う場合,矢状面上での力学的支持点は下腿部後面,足背部,および前足部足底面であり(図2),これに内反が伴っている場合では,足関節外側部を内側方向へ押す力を加える。短下肢装具の構造・材料による分類では,主として以下の3種がある。
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