特集 拡大する医療・介護需要
超高齢社会における医療の展望
辻 哲夫
1,2
1東京大学高齢社会総合研究機構
2田園調布学園大学
キーワード:
後期高齢者の都市部での激増
,
予防政策
,
治し支える医療
,
医療機能の分化連携
,
医療改革の橋頭堡
Keyword:
後期高齢者の都市部での激増
,
予防政策
,
治し支える医療
,
医療機能の分化連携
,
医療改革の橋頭堡
pp.14-17
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101609
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■超高齢社会の到来と医療
日本においては世界に例のない高齢化が進んでいる.現在約20%の高齢化率が2030年には約30%,2050年には約40%となると見込まれている.この場合,高齢者が増える要素により高齢化率が増えるのはこの20年程度であり,増加するのは75歳以上の高齢者である(図1).しかもその大部分は都市部で増加する.
どのような社会になるのであろうか.死亡場所についてみると,終戦直後は医療機関死亡率が10数%であったものが一直線で増加し現在80%台となっている.死亡者数でみると,現在100万人強の年間死亡者数は今後30年余りで170万弱に増える.死亡者数に占める後期高齢者の割合は1965年には3分の1であったのが,現在は3分の2,20年後には4分の3となる(図2).
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