Japanese
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特集 スポーツ医学―最近の話題
高齢化社会におけるスポーツの役割
Contribution of Sports to Aging.
武者 春樹
1
Haruki Musha
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院循環器内科
1Department of Internal Medicine, Yokohama-shi Seibu Hospital, St. Marianna University
キーワード:
高齢者
,
運動習慣
,
QOL
Keyword:
高齢者
,
運動習慣
,
QOL
pp.31-36
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108875
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はじめに
総務庁の調査によると,平成10年の敬老の日時点で,65歳以上の高齢者の数は総人口の16.2%である2,049万人に達し,今後も増加の一途を辿り,2020年には総人口の1/3が60歳以上になると推定されている.
総務庁の60歳以上の高齢者を対象とした意識調査のなかで,地域活動に参加したいとする高齢者が約半数の47.9%あり,その活動内容として健康・スポーツが48.3%と多かったと報告されている.一方,近隣との近所づきあいは,親しくつきあっている人が10年前に比べると10%減少し,全国平均では54.1%であり,町村部では71.1%と近隣とのっきあいが良好であるが,都市部では低く36.8%であった.これは,都市部の高齢者が近所へでかける機会が昔に比べ減少し,日頃の活動量が減少する要因となっている可能性が考えられる.
このような現状のなかで,高齢者が地域の健康・スポーツ活動に参加したいという希望をもっていることは,単に健康維持・増進のためだけではなく,地域の社会活動参加の手段として,さらに地域の人間関係構築のためにスポーツが役立つと期待されていると考えられる.
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