特集 高齢視覚障害者への地域支援
高齢視覚障害者への在宅指導について—視覚障害生活訓練等指導者(歩行訓練士)の立場から
堀内 恭子
1
1社会福祉法人日本ライトハウス養成部
pp.790-794
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200245
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はじめに
視覚障害生活訓練等指導者とは,見えない人や見えにくい人が自分らしい生活を送るために支援する仕事である。ICFの健康状態,心身機能・身体構造,活動,参加,背景因子のすべての視点から,視覚障害者の生活を理解し,総合的に支援している。通称「歩行訓練士」と呼ばれている。
支援の重要な役割の1つに,活動の制限の軽減がある。障害者総合支援法の自立訓練(機能訓練)に該当する生活訓練,つまり歩行訓練やコミュニケーション訓練(点字,音声パソコンなど),日常生活動作訓練などを行うことである。リハの側面として,「本来の機能の回復」と「代替機能の獲得」が挙げられるが,生活訓練は,見えない見えにくい部分を視覚以外の感覚を使っていかに工夫していくかという,代替機能を獲得していくための訓練である。
視覚障害生活訓練等指導者は,日本ライトハウス,国立障害者リハビリテーションセンター学院の2カ所で養成され,2015年5月現在,506名が現任者として各機関に従事している。全国の75の機関で生活訓練が行われ,その形態は入所,通所,在宅とさまざまである1)。日本ライトハウスでは,入所,通所における生活訓練も実施しているが,筆者が所属している養成部では,1990年より大阪府堺市〔平成25(2013)年度まで〕および奈良県,2002年からは和歌山県,兵庫県宝塚市より委託を受け,視覚障害者の在宅指導を行っている。一括募集や随時申込,1人につき,年間約3回から約半年の訓練期間と自治体との契約内容により訓練状況が異なっている。
筆者の経験に基づき,高齢視覚障害者の在宅指導の実態と今後の課題を明らかにしたい。
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