特集 高齢視覚障害者への地域支援
地域における“視覚障害のある高齢者”への支援の現状と課題
高田 明子
1
,
大島 千帆
2
,
下垣 光
3
1武蔵野大学人間科学部社会福祉学科
2日本社会事業大学社会事業研究所
3日本社会事業大学社会福祉学部
pp.784-788
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200244
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はじめに
糖尿病網膜症や緑内障などによる視覚障害が報告されてから約30余年が経過し,高齢化社会の進展とともに視覚障害によって生活に困難を抱える高齢者の増加が懸念される。2009年に日本眼科医会は高齢化に伴う視覚障害による日常生活不自由者を推計し,転倒増加や外出減少,ADL低下,うつ状態など慢性的な低いQOLを報告している1)。介護予防を促進するためにも,生きがいや社会参加によるQOLの向上のためにも“視覚障害のある高齢者”への支援が求められている。
本報告は,地域で生活している“視覚障害のある高齢者”への支援の現状を,既存の2つの調査結果から明らかにし,支援における課題と今後の方向性を考察している。“視覚障害のある高齢者”が支援をどの程度の割合で受給しているのかに関しては,四国地方A市の視覚障害による身体障害者手帳取得者への全数調査2)を用る.また,“視覚障害のある高齢者”への支援内容と現状に関しては,地域で支援を担当している高齢者福祉専門職へのヒアリング調査3)を活用している。
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