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特集 首下がり症候群の病態と治療
首下がり症候群に対する術後成績不良因子—胸腰椎アライメント不良を伴う首下がりに対する治療戦略と術後嚥下障害に対する当科の取り組み
Surgical Strategy for Dropped Head Syndrome Caused by Thoracolumbar Deformity
工藤 理史
1
,
早川 周良
1
Yoshifumi KUDO
1
,
Chikara HAYAKAWA
1
1昭和大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Showa University
キーワード:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
胸腰椎アライメント不良
,
thoracolumbar deformity
,
嚥下障害
,
dysphagia
Keyword:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
胸腰椎アライメント不良
,
thoracolumbar deformity
,
嚥下障害
,
dysphagia
pp.509-513
発行日 2023年9月4日
Published Date 2023/9/4
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202127
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はじめに
首下がり症(dropped head syndrome:DHS)は頸椎後方伸筋群の筋力低下に伴い前方注視障害や歩行障害などさまざまなADL障害やQOLの低下をもたらす2,17).しかし,DHSの病態はいまだ不明な点も多く,その治療戦略は確立していない.過去にDHSに対する手術治療の報告はみられるが,その多くは頸椎の矯正手術が行われており成績不良例も散見される3).DHSは画像上の頸椎後弯と頸部痛を訴えることが多いため頸椎の矯正治療が必要と考えられがちだが,近年ではその背景に全脊柱を含めた複雑な病態が隠れていることが判明しつつある4,9,16).DHSに対する頸椎〜頸胸椎手術の術後成績不良因子はさまざまであるが,本稿では大きく2つ,①全脊柱アライメントに起因する問題,②頸椎局所の問題(術後嚥下障害)について述べる.
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