Japanese
English
脊柱変形up-to-date Ⅳ.成人の頚椎変形
2.保存療法とその成績
首下がり症候群に対する保存療法の予後不良因子
Poor prognostic factors of conservative treatment for dropped head syndrome
佐野 裕基
1
,
遠藤 健司
2
,
大岡 司
1
,
出口 龍太郎
1
,
山内 智康
1
,
石山 昌弘
1
,
長田 卓也
1
,
上野 竜一
1
,
山本 謙吾
2
H. Sano
1
,
K. Endo
2
,
T. Ooka
1
,
R. Deguchi
1
,
T. Yamauchi
1
,
M. Ishiyama
1
,
T. Osada
1
,
R. Ueno
1
,
K. Yamamoto
2
1東京医科大学病院リハビリテーションセンター
2東京医科大学整形外科
1Dept. of Rehabilitation Center, Tokyo Medical University Hospital, Tokyo
キーワード:
dropped head syndrome
,
conservative treatment
,
rehabilitation
Keyword:
dropped head syndrome
,
conservative treatment
,
rehabilitation
pp.204-209
発行日 2025年4月20日
Published Date 2025/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei87_204
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は じ め に
首下がり症候群(dropped head syndrome:DHS)とは,頚部伸筋群の著明な筋力低下によって,時間経過とともに頭部が下垂し,頚部中間位保持が困難となる一連の症候群である1,2).これまで,脊椎性疾患,神経筋原性疾患,内分泌性疾患などさまざまな疾患に合併して発症することが報告されており3),いまだ病態解明にはいたっていないが,発症年齢は70歳代後半の女性に多く1),超高齢社会を背景に症例数の増加が予測されている1,4).
DHSに対する治療は,原因疾患に対する治療が重要とされているが,発症時にその疾患を特定することが困難な場合も多く,一般的には保存療法を主体とした治療方針ですすめられる5).保存療法の有効性に関しては,装具療法や理学療法によって改善した症例が報告されているが6~8),保存療法で改善を認めた症例は全体の20.9%と限定的な効果を示した報告もあり1),難渋する症例も多く存在する.また,手術療法の有効性も報告されているが9,10),保存療法で改善する患者も一定数存在することや,頚椎固定術後には頚部可動域制限が生じることから治療方針の選択はむずかしい.これまで,保存療法が奏効する患者と難渋する患者の違いを検討した報告は少なく,保存療法の予後に関連する患者要因について検討することは,DHSに対する治療方針を検討する評価指標として有用となる可能性がある.本研究の目的は,DHSにおける保存療法の予後不良因子について検討することである.

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