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特集 首下がり症候群
首下がり症候群の手術適応とその評価方法
Indication and Evaluation for Surgical Treatment in Patients with Dropped Head Syndrome
吉田 剛
1
,
松山 幸弘
1
Go YOSHIDA
1
,
Yukihiro MATSUYAMA
1
1浜松医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
手術治療
,
surgical treatment
,
脊椎アライメント
,
spinal alignment
Keyword:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
手術治療
,
surgical treatment
,
脊椎アライメント
,
spinal alignment
pp.1055-1060
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201014
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はじめに
首下がり症候群(dropped head syndrome:DHS)の病態はさまざまであり,狭義のDHS(特発性idiopathic DHS)についてはいまだ不明なことが多い.広義のDHSにはミオパチー,Parkinson病,重症筋無力症,筋萎縮性側索硬化症,多系統萎縮症などの神経筋疾患2,4,8),甲状腺機能低下症,くる病などの内分泌疾患3)を原疾患としたDHSが含まれる.Katzら7)は1996年に頸部伸筋に限局し全身性には進行しない非炎症性ミオパチーをisolated neck extensor myopathy(INEM)と呼ぶことを提唱した.狭義のDHSはINEMを中心とした特発性DHSを指すが,現在でも病態解明は十分にされていない.整形外科医がしばしば遭遇するDHSには,高齢者のフレイルやサルコペニアに随伴するもの,頸椎手術後の医原性,胸腰椎の成人脊柱変形に合併する症例などがある.特に胸腰椎変形の約52%に頸椎変形が合併したという報告もあり10),今後ますます脊柱変形にDHSが合併した病態に遭遇する機会も増えると予想される.これらは広義のDHSに含まれる.このように,DHSの原因は多岐にわたり,原疾患のある場合はその鑑別と治療が必要なのはいうまでもない.さらに,特発性と考えられる中にも保存治療が効果的である症例も存在する.本稿では,主に手術適応の評価方法,どの病態に対しての手術適応なのか,また保存治療の適応について重点を置き解説する.
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