Japanese
English
特集 首下がり症候群の病態と治療
神経筋疾患による首下がり症候群
Dropped Head Syndrome in Neuromuscular Disease
逸見 祥司
1
Shoji HEMMI
1
1川崎医科大学神経内科
1Department of Neurology, Kawasaki Medical School
キーワード:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
限局性頸部伸展筋ミオパチー
,
isolated neck extensor myopathy
,
頸椎症
,
cervical spondylosis
Keyword:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
限局性頸部伸展筋ミオパチー
,
isolated neck extensor myopathy
,
頸椎症
,
cervical spondylosis
pp.456-461
発行日 2023年9月4日
Published Date 2023/9/4
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202116
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はじめに
首下がりとは,頸部が異常に前屈して頭を挙上し続けることが困難な状態である6).その程度はさまざまであるが,座位・立位で前が見づらくなるばかりでなく,高度なものでは呼吸や嚥下がしづらくなり,日常生活に重大な支障をきたす.首下がりはさまざまな機序で生じ,首下がり症候群(dropped head syndrome:DHS)と呼称される.DHSの原因は,①頸部伸筋群の筋力低下によるものと,②頸部を前屈させる頸部屈筋群の緊張亢進によるものに大別される.筋力低下を伴わず,頸部屈筋群の緊張亢進によるものは,錐体外路疾患が関与しており,特にdisproportionate antecollisと呼称される14,15).
DHSは表 1に挙げたように多くの疾患によって起こるため,必ずしも診断が容易ではない.いつ,どのように発症したかポイントを押さえた病歴聴取を行い,的確な神経診察・検査を行って原因を絞り込まないと,正しい診断に辿り着けない3).そのため,本稿ではまず,DHSを有する患者の診断手順について概説し,続いて自験例を通して診断の要点を述べる.最後に頸椎疾患とDHSの関係性について解説する.
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