Japanese
English
特集 首下がり症候群の病態と治療
頸椎高度後弯変形(首下がり)症例の治療戦略
Treatment Strategy for Severe Cervical Kyphotic Deformity
高橋 敏行
1
,
兼松 龍
1
,
南 学
1
,
三谷 幸輝
1
,
花北 順哉
1
Toshiyuki TAKAHASHI
1
,
Ryo KAMEMATSU
1
,
Manabu MINAMI
1
,
Koki MITANI
1
,
Junya HANAKITA
1
1藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
1Spinal Disorders Center, Fujieda Heisei Memorial Hospital
キーワード:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
頸椎後弯変形
,
cervical kyphotic deformity
,
治療戦略
,
treatment strategy
Keyword:
首下がり症候群
,
dropped head syndrome
,
頸椎後弯変形
,
cervical kyphotic deformity
,
治療戦略
,
treatment strategy
pp.473-478
発行日 2023年9月4日
Published Date 2023/9/4
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202119
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
頸椎後弯変形は,頸部が過度に屈曲あるいは前傾し頭部支持機能に支障をきたす病態であり,後弯が高度な場合は,前方注視が困難となり,姿勢維持も不良となるため歩行障害を呈する.頸部痛や肩こりなどの愁訴も生じやすく,頸部脊柱管狭窄を伴うと脊髄症などの神経症状も認めるようになり,高度な変形では嚥下や呼吸困難をきたす場合もある.狭義の首下がり症候群(dropped head syndrome:DHS)は特発性あるいは神経内科疾患に関連して生じることが多く,頸部支持筋群の機能不全やバランス不良をきたし,起立時での頭位保持が困難となる特徴があり,臥位では整復可能な可逆的な変形となる.したがって,変性や外傷による頸椎すべり症や関節硬化に伴う構築的で可撓性がない頸椎後弯とは一線を画する.
本稿では,狭義の首下がり症候群のみならず,加齢変性などによる構築性変形なども含めた頸椎後弯変形の治療戦略について概説したい.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.