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特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
第2章 術前準備と周術期管理
頸椎前方除圧固定術の術後管理
Postoperative Management of Anterior Cervical Decompression and Fusion
藤本 昌志
1
,
水野 正喜
2,3
Masashi FUJIMOTO
1
,
Masaki MIZUNO
2,3
1三重大学医学部附属病院脳神経外科
2三重大学脊髄末梢神経低侵襲外科
3鈴鹿回生病院脊椎・脊髄センター
1Department of Neurosurgery, Mie University Hospital
キーワード:
頸椎前方除圧固定術
,
anterior cervical discectomy and fusion
,
術後早期回復プログラム
,
enhanced recovery after surgery
,
術後合併症
,
postoperative complications
Keyword:
頸椎前方除圧固定術
,
anterior cervical discectomy and fusion
,
術後早期回復プログラム
,
enhanced recovery after surgery
,
術後合併症
,
postoperative complications
pp.965-969
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201981
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はじめに
頸椎前方除圧固定術は脊椎脊髄外科医にとって基本手技の1つである.しかし,本邦では後方手術よりも前方手術の合併症の頻度が高いことや後方手術の手術手技の容易さなどから,後方手術を選択する施設が増えてきている.日本脊椎脊髄病学会からの報告でも,頸椎手術において前方手術は2001年に23.9%,2011年に13.4%と減少している5).前方手術を経験する機会が減ってきている現状ではあるが,前方手術しか術式選択がない症例は存在する.前方手術は後方手術と比較すると特有の合併症があり,致死的合併症の頻度が術後に多いと報告されており14),前方手術に対しては手術手技とともに術後管理も重要である.また,近年,合併症の発生を予防するだけではなく,術後回復を促進させることの必要性もエビデンスに基づいて報告されている8).本稿では,頸椎前方除圧固定術における術後管理について,術後早期回復プログラム(enhanced recovery after surgery:ERAS)と術後合併症を中心に述べる.
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