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特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
第2章 術前準備と周術期管理
頸椎前方手術の周術期管理—気道閉塞予防に対する周術期管理プロトコールの重要性
Perioperative Management after Anterior Cervical Spine Surgery: The Importance of Perioperative Management Protocols for the Prevention of Airway Obstruction
松本 富哉
1
,
岩﨑 幹季
1
Tomiya MATSUMOTO
1
,
Motoki IWASAKI
1
1大阪労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Rosai Hospital
キーワード:
頸椎前方手術
,
anterior cervical spine surgery
,
周術期管理プロトコール
,
perioperative management protocol
,
気道閉塞予防
,
prevention of airway obstruction
Keyword:
頸椎前方手術
,
anterior cervical spine surgery
,
周術期管理プロトコール
,
perioperative management protocol
,
気道閉塞予防
,
prevention of airway obstruction
pp.957-964
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201980
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はじめに
頸椎前方手術(anterior cervical spine surgery:ACSS)の周術期合併症には,アプローチや除圧操作に関するもの(血管,食道損傷,神経麻痺など)や,移植骨やインプラントに関するもの,そして術後の嚥下困難,気道閉塞などが報告されている4).特に術後致死的な合併症となる術後の気道閉塞に関しては,慎重な周術期管理が必要とされる.2022年3月に日本医療安全調査機構から頸部手術に起因した気道閉塞に関わる10例の死亡事例の分析結果が公表され9),その報告では5例(50%)はACSS術後であったことからも,慎重な周術期管理や緊急時の対応への準備をしておくことは脊椎外科医にとって必須であると考える.当院ではACSS術後に気道閉塞から低酸素脳症となった自験例以降,特に術後の気道閉塞の予防を中心に周術期管理を行っている.本稿では,当院でのACSS術後の周術期合併症の頻度,低酸素脳症となった自験例の経過と現在の周術期管理の詳細をお伝えしたい.
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