Japanese
English
特集 頸椎前方手術Up To Date
Midline groove法を用いた頸椎前方除圧固定術
Anterior Cervical Decompression and Fusion Using a Midline Groove Method
三原 久範
1
,
多々羅 靖則
1
,
新村 高典
1
,
関屋 辰洋
1
,
合田 篤史
1
Hisanori MIHARA
1
,
Yasunori TATARA
1
,
Takanori NIIMURA
1
,
Tatsuhiro SEKIYA
1
,
Atsushi GODA
1
1横浜南共済病院脊椎脊髄センター
1Spine Center, Yokohama Minami Kyosai Hospital
キーワード:
頸椎前方除圧固定術
,
anterior cervical decompression fusion
,
頸部脊髄症
,
cervical myelopathy
,
手術手技
,
surgical technique
Keyword:
頸椎前方除圧固定術
,
anterior cervical decompression fusion
,
頸部脊髄症
,
cervical myelopathy
,
手術手技
,
surgical technique
pp.702-708
発行日 2018年8月25日
Published Date 2018/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200931
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はじめに
頸部脊髄症における神経圧迫の主因子は脊髄・神経根の前方に存在することが多く,また椎間板変性に起因した椎間不安定性が病態進行に強く関与していることを考え合わせると,本症に対する根本的な治療法として頸椎前方手術の合理性は高い.特に,神経組織の除圧・減圧は手術の主目的になる場合が多く,その確実な履行が求められる.一方,生体力学的視点に立てば,頭部を支える頸椎の支持組織はなるべく温存するほうが有利であり,椎体亜全摘よりも経椎間板腔からの除圧・減圧操作が望ましい10).しかしながら,椎間板変性が進行して椎間板高が著しく減少している症例などでは,狭い椎間板腔の奥にある神経圧迫因子を十分に除去することが困難な場合も少なくない.椎体削除量を増やせば視野やworking spaceが拡張されて手術操作は容易になるが,過度の骨削除によって椎体骨性終板を損傷すれば再建頸椎柱の支持性は低下するといったジレンマに陥る.そこでわれわれは,椎体下端に一本の骨溝を作成し,その溝を起点として椎体後縁の神経圧迫因子を除去することで,椎体の前方から中央部の骨性終板を極力温存するmidline groove(MG)法を考案して臨床応用してきた.本稿では,その手技の要点について解説し,実臨床における有用性について報告する.
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