Japanese
English
特集 頸部神経根症の治療を見直す
頸部神経根症への前方除圧固定術
Anterior Cervical Discectomy and Fusion for Cervical Radiculopathy
千葉 泰弘
1
,
小柳 泉
1
,
今村 博幸
1
,
阿部 弘
1
Yasuhiro CHIBA
1
,
Izumi KOYANAGI
1
,
Hiroyuki IMAMURA
1
,
Hiroshi ABE
1
1北海道脳神経外科記念病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Hokkaido Neurosurgical Memorial Hospital
キーワード:
頸部神経根症
,
cervical radiculopathy
,
前方除圧固定術
,
anterior cervical discectomy and fusion
,
鉤椎関節切除
,
uncinectomy
Keyword:
頸部神経根症
,
cervical radiculopathy
,
前方除圧固定術
,
anterior cervical discectomy and fusion
,
鉤椎関節切除
,
uncinectomy
pp.723-730
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201460
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
頸部神経根症は,神経根の圧迫ならびに椎間の不安定性が強く絡んでいる病態である.限られた空間である椎間孔内での病態であるため,軽度の神経圧迫でも椎間の不安定性の要素が大きいと強い症状を呈する.そのため,神経除圧と椎間の安定化のバランスを考えた治療戦略が重要となる.昨今,脊椎手術には多くのインストゥルメンテーションが導入されており,骨癒合完成までの内固定器具として活躍する.しかしながら,その適応や使用方法を誤ると重大な合併症のリスクが生じる.固定術による脊椎配列の変化によって対側椎間孔や隣接椎間への影響が多少なりとも生じるため,術式検討ならびに術野での十分な神経除圧が重要となる.われわれは徹底した神経除圧を前提とした固定術の併用を基本としているが,殊に頸部神経根症に対する前方手術ではその重要性が増す.本稿では,頸部神経根症に対する前方除圧固定術について,基本的な理解が得られている内容や最近の傾向と問題点を概説し,さらにはわれわれの施設で行っている前方除圧固定術について解説する.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.