チタンケージを用いた頸椎症，頸椎後縦靭帯骨化症の手術

The Advantages of Titanium Cage for Cervical Anterior Fusion in Cases of Spondylosis and OPLL

はじめに

　頸椎前方到達法による除圧固定術は，頸椎人工椎間板が導入された欧米においても，今なお主たる治療法として頸椎変性疾患の手術に適用されている．

　頸椎症による骨棘，椎間板ヘルニア，後縦靭帯骨化症（ossification of the posterior longitudinal ligament：OPLL）などの前方からの脊髄神経圧迫病変に対しては，直接徐圧である前方到達法が術後改善度が高いことが知られている．頸椎前方除圧固定術（anterior cervical decompression and fusion：ACDF）は，大きく2つの要素からなる手技である．1つは「除圧」で，神経圧迫病変の除去を行う．椎体後面の骨棘を削除し，脱出椎間板や後縦靭帯骨化巣などの神経圧迫病変を摘出する手技である．もう一つは「固定」である．除圧後の頸椎椎体を固定することにより，不安定性の解消，除圧効果の持続，脊椎アライメントの保持などの治療効果が期待できる．ここでは，このACDFの手技に，自家骨の代用としてチタンケージを使用する手技について提示する．